自由気ままに

愛なんて生易しいもんじゃないのよ

5年分の愛を貴方に


1番古い彼の記憶は、コートの上で踊る姿。母の隣でバレーボールの中継を見て、「あの人達は日本の選手?」と尋ねたらしい。
幼稚園年長さん、2003年のある秋の日の事だった。

 

 

 

毎年9月になると、初めてのコンサートを思い出して胸が踊る。明日目を覚ましたらNEWSのコンサートに行ける気がして、大好きな人達に会える気がして。行ってもいないし行けるわけもないのに、どうしようもなく胸が焦がれて幸せな気持ちになる。

 

 

どうしても山Pに会いたくなった。会わなくちゃいけないと思った。
夏に行われたツアーは、気持ちに整理をつけられていない自分なんかが行くのが許せなくて、せっかくの誘いを断ってしまった。でも、9月に入ってから追加公演を知り、どうしても山Pに会いたくなった。検索してみると既に申し込みは始まっていて、すぐにFCの申し込みをしても間に合うかどうかは微妙だった。これで間に合わなかったらキッパリ諦めようと思った。
入会手続きをするとき何回も書き間違え、払込票をダメにした。震える手でATMを操作し、何回も「お手数ですが初めから……」と言われた。
期待はしない、期待はしないと思いながらも、帰ったら真っ先にポストを覗く日々が続いた。


白い封筒が届いたのは、10月1日土曜日の事だった。コンサートの申し込み期限は10月3日、日曜日が挟まる事を考えるとほとんどギリギリだった。
私の会員番号は0と4と8で構成されていた。暴論だけれど、NEWSの4と関ジャニ∞の8を思い浮かべて、なんだか運命的で会員証を握りしめてポロポロ泣いてしまった。それでも、代々木は入ったことがなかったのでどれくらいのキャパなのかは知らなかったが、東京公演でしかも2公演しかないとなると、もしかしたら厳しいかもしれないと思った。これでダメだったら諦めよう、と期待しつつも予防線を張って暑いんだか寒いんだかよく分からない10月を過ごした。

10月17日、その日は電車は遅延するわ雨が降っているのに折り畳み傘は壊れるわイヤホンは忘れるわで散々な朝だった。朝一の打ち合わせがあるからいつもより早く家を出たのにデスクに着いたのは始業の2分前、とまぁどうにも上手くいかない日だった。

夕方、電車の中で音楽を聴こうとしたがイヤホンを忘れてきた事を思い出しスマホを鞄に戻そうとしたときに当落のメールが届いた。
音声ダイヤルの登録だけして降りたらかけようとページを開くと、時代が進歩していてFCページ内で当落確認ができるようになっていた。
当選してほしい気持ち半分、今日はついてない日だからダメだなという気持ち半分でページを開くと、そこにあったのは「追加公演当選」の文字だった。以前から追加公演当選システムのことは知っていて「行けるか分からない日に勝手に当選しちまう追加公演当選ってトンデモシステムだな!?」とか思っていたが、この時の私にとってこのシステムは天の助けに他ならなかった。


12月4日の午後1時、山Pに会えるんだ。
もう一度山Pに会って、今の山Pを見るのが夢だった。でも、もう夢じゃない。夢だけど夢じゃなかった。紛れもなく現実だった。

 

 

自分でも本当に未練がましいと思う。こんな気持ちでコンサートに行くのをよく思わない人も沢山いると思う。でもやっぱり山Pに会うのは2016年以外に考えられなかった。ジャニーズ事務所に本当に沢山のことが起こった2016年。内君の舞台を観に行った2016年。錦戸君がSUMMER TIMEを歌って、少プレでNEWSと共演した2016年。NEWSとともに長くあつい夏を駆け抜けた2016年。
この5年間、大好きだから苦しかったし、大好きだから許せなかった。嫌いにならなきゃいけないと思い込んでいたけれど、ちっとも嫌いになれなかった。嫌いになれるはずがなかった。だから8年間ずっと応援し続けてきた山Pと距離を置いた。それでも自分が何にモヤモヤしてて、何に納得がいっていないのかずっと分からずにいた。このコンサートに入る事ですぐに何かが変わるわけではないと思っていたけれど、とにかく進むことのできないこの場所から動いて、ここじゃない何処かへ行きたかった。側から見たら私が勝手に好きになって勝手に裏切られた気になって勝手に苦しんでいるだけに見えるだろう。私もそう思う。それでもジャニオタをやめたいとは思わないし、やめられる気もしない。全くもってジャニオタは難しい。

 

 

そして今日、朝家を出る前に6年前の9月26日を思い返してみた。確かあの日は朝から従姉妹が家に来て、一緒に私の服を選んでくれた。あまり種類のない服の中から、従姉妹は赤いスカートを選んだ。9月とはいえ、帰り道は少し雨も降っていて脚が寒かった事を覚えている。
今日も少し躊躇って赤いスカートを選んだ。もちろん当時と同じ服なんてもう残っていないけれど、山Pに会うときに着ていきたい服、と考えたときに赤以外に思いつかなかった。

 

神宮前の歩道橋の狭さに若干キレながら代々木体育館に着いて、会場が暗くなると、よく知ったときめきと、全く知らない緊張を感じた。
そして今日は絶対に、ありったけの山下智久を目に焼き付けて帰ろうと決めていた。でも、せっかく登場時に泣き崩れそうになったのを必死にこらえたのに、3曲目にして視界がぼやけてしまった。「One in a million」だった。
初めて行ったNEWSのコンサートで歌っていた山Pのソロ曲で、私が山Pの曲の中で1番大好きな曲だ。先日ラジオで「6年経っても色褪せない、好き」と言っていてとても嬉しい気持ちになった。思い入れの深い曲だから、といえばそれまでなのだが、何故こんなにも涙が溢れるのかわからず戸惑った。5秒で答えがでた。カッコいいからだ。大好きだからだ。とても今更なことだが、山Pが大好きだということに気が付いてしまった。


ツイッターやブログを始めたりして沢山の人の意見に耳を傾けるようになり、大人になったつもりでいた。少なくとも自分は同級生の女の子達よりは色々なことを考えて、落ち着いて広い視野を持っていると思い込んでいた。でも全然そんなことなかった。私は自分が思っているよりもずっと単純な人間だった。
あれだけ覚悟を決めて臨んだコンサートが終わった今、思うことは「あーーー山Pめちゃくちゃカッコいい〜〜超好き〜〜」だけである。山Pはカッコいい。そんなこととっくに知ってた。超知ってた、13年前から知ってた。
でも今となってはそれでいいかな、と思う。5年前のあの日から、山Pの事を考えて何度も枕を濡らした。何度も胸が痛くなった。許せないと思ってた日もあった。でも今日のコンサートがどうしようもなく素晴らしかったこと、今日の私が山Pの事を大好きだということは揺るぎない事実だ。
この先自分が出戻りとして山下担になるのかは全くわからないけれど、少なくとも「自分が山Pの事を好きでいていいのか」という迷いはもう全くない。

 

 

 

私が立ち止まっている間に、貴方は5年も進んでしまった。私は単純でわがままだから、5年分の貴方を知りたい。私が拒み続けてきた5年分を埋めていきたい。これから先も貴方を見て切なくなる事はあると思うけれど、きっと貴方はそれ以上にたくさんたくさん私をときめかせてくれるから。

 

大好きな貴方のことを、また今日から知っていこうと思う。

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